我が家の猫
最愛の友
名前はマロ
里子なので、私が付けた名前ではありません。
私ならまずつけないだろう、この名前。
ウチに来てすぐに馴染みました。
今日は余命宣告を受けた後のマロとの暮らし、家庭での点滴についてお話しします。
病院で獣医と相談
マロの先生はとても優しい先生でした。
病気が見つかった時、とても気遣ってくれて、
「もう少し生きようね。」
とマロに何度も話しかけてくれました。
私は出来るだけ自宅で診たいと伝えると、
「ご自宅で点滴できますが、どうされますか?」
と言われ、点滴の方法を聞きました。
「自分で出来るの?」
と、驚いたのを覚えています。
猫に点滴を
マロは脱水症状がみられました。
点滴の方法は案外簡単でした。
問題は、針がちゃんと刺すのが難しい事。
幸いマロは痛みに耐える猫でした。
予防注射の時も全く動じない猫。
尊敬できるやつでした。
点滴の針は血管ではなく、首の後ろのところに刺すそうです。
液体は一時的に肩や前足の付け根辺りにたまるけれど、時間が経てば体に巡っていくのだそう。
身体って、不思議だなぁなんて、生命の奇跡を冷静に感じました。
点滴失敗談
この点的治療、慣れるまでは意外と難しいです。
針を刺したつもりでも、ちゃんと刺さっていなかったり、いつの間にか抜けていたるするのです。
ひざの上に猫を抱いて点滴していたのですが、液体が猫の体温で温められるため、漏れていても気が付かないのです。
終わったと思って器具を片付けると、服が濡れているという具合。
点滴のやり直しです。
点滴も慣れてきた
何度か繰り返すと、針を刺すのも慣れてきます。
点滴が上手く行くと、マロは少し元気そうに見えました。
私もマロと同じ経験があります。
17歳の頃、何を食べても数分後にすべて吐くという症状が続きました。
食べた量よりも吐く量が多く、最後は胃液も出ないくらい苦しい日が1週間くらい続き、入院。
そこで点滴をしてもらい、空腹なのに元気になるという、不思議な体験をしたのです。
おそらく、点滴をした後のマロは同じだったのかなと、今この記事を書いていて気付きました。
点滴が上手く行くと、やつれた表情や疲れた歩き方が少し元気そうに見え、私も少し安心できる時間でした。
点滴器具を返却
マロは2020年夏に旅立ちました。
ついに、点滴器具を返却する時が来ました。
病院へ、マロの死を伝えました。
先生、看護師、スタッフさん、全員が出てきてくれて、話を聞いてくれて、お悔やみの言葉をくださいました。
それまではマロの事ばかり見ていましたが、この人たちに診てもらえて良かったと思った瞬間で、スタッフさん達に初めて目線が向いた気がしました。
たくさんの人が心配してくれて、手を尽くしてくれて、対応してくれた。
感謝の気持ちが芽生え、私はなぜかとても救われた気持ちになりました。
大切な治療期間
治療期間は2カ月。
あっという間でしたが、私にとってはとても愛情に満ちた濃厚な時間でした。
特に点滴治療は少し楽しく、何より治療中にマロが私の膝に乗っているのが嬉しかった。
そして治療後にマロが元気になるのが嬉しかった。
そんな日々を、今でも思い出します。
私の仕事
マロは今、私の作品のモデルになっています。
編み物をしている私ですが、クッションになったり、ブランケットになったり、新商品の抱き枕になったり…。
この抱き枕が自宅に置いてあると、
少しニヤッとして、
嬉しくなるのです。
今でもマロが、そこに居るみたいで・・・