ペットの遺骨は自宅で保管されている方が多いという話をしましたが、納骨を希望される方もいらっしいます。又はお墓などには入れず、庭に埋葬したり山や海に散骨を希望される方も増えてきました。
当店ではお客様やペット霊園の方からお話を伺う機会がありますのでその内容をご紹介していきます。
今回はペットの埋葬や納骨について考えてみましょう。
納骨しなければいけないの?
ペットの遺骨を自宅でいつまでも保管したいと思う人も多いでしょう。
その一方で、納骨しなければ成仏できないとか、いつまでも部屋においておいてはいけないと感じる人もいるようです。
霊園の担当者にお伺いしたところ、納骨しなくても大丈夫と言って頂けました。
詳しくはペットの遺骨の管理についてをご覧下さい。
どこに納骨できるの?
納骨を希望する場合についてですが、注意しなければいけないことがあります。
それは、将来自分も入るであろう先祖代々のお墓に、ペットの骨は納骨出来ないケースもあるということです。
お寺や宗教の事情で、人と同じ墓に納骨できない例
お寺の事情によって異なるそうですが、基本的には人とペット(家畜と表現されます)は同じ墓に入ってはいけないという決まりがあるお寺があるそうなんです。
また、家族内でもペットが苦手な人がいたり、墓地の隣の区画の人から嫌がられる例もあります。
それではどこに納骨するのでしょう。
ペット用の霊園、墓地、納骨堂
多くの場合はペット用の霊園に納骨します。霊園内に納骨堂があったり、ペット用のお墓を整備してくださっている場合があります。
又は、ご自宅のお庭にペットのお墓を作っている方もいらっしゃいます。庭に穴を掘って埋めるだけの人もいれば、立派な墓石をオーダーして綺麗に整備されている方もいらっしゃいます。
自宅にお墓を作る場合は霊園への納骨よりもお墓代が高額になりますが、いつでも身近に感じられる事から需要が増えているそうです。
ペット合同慰霊碑
我が家の愛犬は合同慰霊碑に納骨して頂きました。
当時(2007年)は火葬場の勝手口のような狭い通路から入り、小さな部屋で簡単なお別れの儀式をして頂き、そのまま火葬にしてもらいました。
遺骨は持ち帰ることなく、霊園で納骨だけしてもらいました。
当時はペットの葬儀は一般的ではなかったため、簡易的な対応でしたが十分心温まる物でした。
10年以上経った今でもお墓参りに行っています。
合同慰霊碑ですから、他のペット達も一緒に入っています。
いつ行ってもお花は新鮮で、お線香から煙が出ていて、次々に人がお参りに来ているのが分かります。愛犬ムックもちっとも寂しく無さそうで、合同慰霊碑に入れていただいてよかったと思っています。
ペットと一緒に入れるお墓もある
時代は変わり、今ではペットと一緒に入れるお墓を整備している霊園もあります。
そこに先祖代々のお墓を移す事が出来るかどうかは分かりませんが、自分とペットだけが入るお墓を作る事が出来るそうです。
納骨するのはいつ?
それでは、納骨する場合はいつどのタイミングで行うのが良いでしょう。
結論から申しますと、『決まりはない』との事でした。
つまり、自分の気持ちの整理が出来ていればいつでも良いそうです。
そんな中でも特に四十九日や一周忌で納骨される方が多いそうです。
当店のお客様でも、お礼のメールに『四十九日の納骨を終えてきた』と書かれていることが良くあります。
その他、ご自身の引越しのタイミング、結婚や卒業のタイミングなど、生活の変化と合わせてひと区切りつけることもあるようです。
私の友人で、二十年以上遺骨を保管している人がいます。その人は二十年以上前に愛犬用のお墓を作ったそうですが、未だに納骨できずにいるそうです。とても明るい性格で清清しい人ですが、まだお別れは辛いので傍に置いておきたいのだそう。そういう人もいらっしゃいますので、お別れが寂しいと感じる間は傍に置いておくのが良いと思います。
分骨したいのだけれど・・・
分骨とは、遺骨を別々の場所で保管することです。
分骨を希望される方は、例えば家族が引越しして別々の場所に暮らすようになった場合や、骨をペンダントなどに入れて持ち歩きたい場合があります。
分骨について、決まりがあるかどうか伺ったところ、特に無いそうです。
つまり、分骨しても良いとの事でした。
ご自身が気になるようでしたら、お寺に相談してみてはいかがでしょうか。
全く問題ないと言っていただけるかもしれませんし、お経をあげてくれるかもしれません。
ペットの分骨について詳細はこちらをご覧下さい。
ペットを埋葬するには
ペットをご自宅の庭に埋めてお墓を作ったり、骨を埋める人もいらっしゃると思います。そこに木を植えて毎年花が咲くのを楽しみにしている人もいらっしゃるかもしれません。そんな時の注意点をご紹介。
骨は土に返るの?
骨は土に返るそうですが、何年くらいかかるのでしょうか。それは土の状態やその中のバクテリアの数などによって変わるそうです。例えば木屑や灰、落ち葉などで作られた土なら微生物も多く、土に返りやすいそうですが、粘土質の場合は逆に保存状態が良くなってしまい、何十年たっても保存状態の良いまま残るそうです。
野生動物に掘り起こされる危険性
ペットの骨を綺麗に焼いてあれば野生動物に掘り起こされる事は無いかもしれませんが、亡骸をそのまま埋めた場合はイタチや野良犬などに掘り起こされる危険性があります。埋葬する時には臭いを発生しないよう気をつけましょう。
マンションの為、埋葬する場所が無い
家に庭が無い場合、又は土に返してやりたいけれど埋める場所が無い場合はどうしたら良いでしょうか。
プランターなどを用意して埋めている人もいるようですし、骨を粉骨(粉状)にして自然界に撒く人もいるようです。その他、納骨堂に納めたり合同墓地に入れてもらったり、又は遺骨のままご自宅に保管されるのが良いでしょう。
埋めた骨を掘り起こしても良いですか?
数年前に自宅の庭にペットの骨を埋めてお墓を作りました。でも引越しする事になり、ペットも連れて行ってやりたいと考えています。土を掘り起こしても良いでしょうか?
こんな場合はどうしたらいいでしょう。当店のお客様にも時々教えてもらうのでご紹介します。
掘り起こした人
私は引越しする時に庭に埋めていた猫のお墓を掘り起こしました。骨はまだもとの形のまま残っていて、あぁ、こんな近くにいるんだなぁという思いが込み上げてきました。出来る限りの骨を広い、引っ越した後はかわいいビンに入れてそのまま置いています。
子供の頃飼っていた犬のお墓が庭にあり、そこに桜の木が植えてあります。年々大きくなり、毎年綺麗な桜が咲き、愛犬を思い出します。引越しすることになったとき、お墓を少し掘ってみました。根があったのであまり深く掘って無いですが、何も出てきませんでした。あぁ、もう完全に天国へいったんだな~と感じました。桜を移植する事も考えましたが引越し先は庭が狭いので諦めました。
土や石だけ持っていく派
骨は粉にして埋めました(撒いた)ので掘っても何も出ないと思って、周りの土を少しだけ瓶に入れて持ってきました。土は新しい庭に撒きました。
ご自分の納得される方法が一番良い
皆さんがそれぞれの方法で自分が納得できる対応をされているようです。人の骨と違い、「こうしなければならない」という決まりは無いそうでご自信が納得出来るかどうかが一番のポイントだそうです。
散骨希望者が増えている
ご自身が高齢になり、自分が居なくなった後にペットの骨やお墓を管理できなくなるという人もいらっしゃるでしょう。
そういう方は、散骨を希望される事もあるようです。
散骨とは、遺骨をパウダー状に加工して海や山などに撒いてお見送りをすることを言います。
人の場合は法律上の決まりがあるようですが、ペットに関しては特に決まりは無く、法律上問題の無い範囲で専門の業者が対応してくれています。
ペット達は大地に帰り、その後ものびのびと暮らしていけると私は信じています。
海が好きな子は海に、野原で遊ぶのが好きな子は山へ散骨されてみてはいかがでしょうか。
我が家の愛犬ムックは海や川が大好きでしたので、海へ散骨してあげていたらきっと喜んでくれたでしょう。