天国の愛犬
我が家でも以前大きな犬を飼っておりました。
ニューファンドランド犬です。
こちらが天国のムック^^
元々当店の商品はこのムックのクッションを自宅用に作っていたのがきっかけで、周りの方から作って欲しいと言われるようになり、それが口コミで広がってホームページで販売することになったという流れがあります。
そのためでしょうか、亡くなった愛犬や猫ちゃんの思いでグッズとして作成される方が多いのです。
私たちはムックを、近くの霊園の合同慰霊碑に入れていただきました。
他のペットたちもたくさんいて、ちっとも寂しくなさそうです。
ちょうどムックを弔ってもらった数日後、年に一度の合同慰霊祭がありました。
お寺から和尚さんが来てくれて、飼い主さん達と一緒にお経を唱えます。
初めて参加した時はびっくりしました。
数百人の参列者。その多くが喪服を着て数珠を持ち、わんちゃんを抱いている人もいればハンカチを目に当てている人、そこはまるで人のお墓その物、いやそれ以上に悲しみに包まれた場所でした。
そこはまさに追悼のイベント。喪服を着て位牌や遺影を持って参列されている方や、涙をぬぐいながら並んでいる方もいらっしゃいました。
私たちも愛犬を亡くした悲しさはありましたし、家の中も静かで寂しかったですが、人前で泣くようなことはなく前に進まなきゃいけないと思っていた頃でしたので、「こんなに泣いても良いんだ」と逆に少し冷静に自分を見た気がします。
泣いて喜んでくれた
当店のお客さまの中には亡くなったペットの追悼の品として作成される方が多いのですが、ご自宅用だけではなく、お友達のペットの追悼にも贈られる方がいらっしゃいます。
何度もご注文頂いている方も多いですので、おそらく贈り先様からは喜ばれているのだろうと思われます。
お客様からお礼を頂くとき、相手の方が泣いて喜んでくれたというコメントを頂きます。
嬉しくて泣いている場合もあるでしょう。
分かれの寂しさを思い出して泣いている場合もあるでしょう。
どちらもとても素直な気持ちで喜んでくださったのだと思います。
涙を流すという時、それは自分の心とちゃんと向き合えたときかもしれません。
本当の自分の気持ちというのは自分自身では分からないものです。
悲しくても、泣いてちゃいけないと考える人。
誰かにすがりたくてもなかなかそうできない人。
そういう時に思い出のお写真で作った編物のクッションを見て、その子を思い出し、涙を抑えなきゃという気持ちを自分の心が上回ったとき、泣いてしまうのかもしれません。
それともうひとつ。
クッションをもらったときに、泣いているのは自分だけじゃないと気付くのでしょう。
クッションをくれたこの人は、自分が今寂しいんだということを分かってくれている。その気持ちは、悲しみの中にいる人の心を助ける力があると思います。
言葉で伝えるのは難しい。
「元気を出して」と言われても、分かっていても寂しさに勝てない。
そういう時は無理をしないで、クッション抱きしめて思い出に浸ってね。そういう気持ちが伝わるのかもしれません。
不思議なものを作っています。
私たちの編物の技術がこんな力を持つとは思いませんでした。
これからも良い作品作りに励んでまいります。
ムックも天国で営業してくれているのかな。。。
今日もなくなったわんちゃんからのご注文が届いています。