同じ家族でも、ペットの死に対する考え方は違います。
ひどく落ち込む人もいれば、普段と何も変わらないように見える人もいます。
今回は家族で意見が食い違うD様のエピソードをご紹介します。
父が語った、愛猫みぃの最期の日
野良猫だったみぃ
もう、何年も前のことです。
祖母が野良猫に餌をやっているうちに懐いてしまい、いつの間にか我が家の土間に住み着くようになりました。
家の中でのみぃの行動範囲が広くなっていき、土間だけではなくリビングや寝室も自由に出入りするようになりました。
みぃはこうして我が家の飼い猫になっていったのです。
5年くらい経った頃、もう寿命が近いとなんとなく分かってきました。
寝ている時間が長くなるし、動きも鈍くなってきました。
元々ノラなので、最期の時はどこか散歩に行ってしまい、1人で死を迎えるのだと思っていたのですが、みぃは庭のダンボールの中で、家に誰もいない昼間に息を引き取りました。
猫の死について、家族内での考え方の違い
みぃが亡くなった時、私は何日も泣いていました。
祖母も母も悲しそうでしたし、家事をしながらため息をついたり時々みぃの事を話したりしていました。
当然、父も同じだと思っていたのですが・・・。
父は私たちに対して、
「泣いても仕方がない、泣いても何もならない、もうみぃの話はするな」
と言っていたのです。
それ以来私は父に対する不信感が芽生え、いつの間にか父とは本音で話さなくなっていました。
父の本当の気持ち
それから数年たった、ある日の事です。
親戚が集まった席で、飼っていたペットの話になりました。
親戚は皆が犬や猫などペットを飼っていた経験があります。
話は別れの時の話題になったとき、父がこんな一面を見せました。
「みぃも、最期は朝から庭のダンボールの中に入ってて、ワシが最後に家を出たもんだから、仕事を休むわけにもいかず、最後はワシが顔をなでてやったんだ。もう、今日でお別れだと分かっ・・・」
その瞬間に父が声を詰まらせ、涙声になり、さっと立ち上がって席を外しました。
こんな父は初めて見ます。
父も寂しかったんだと初めて知りました。
今は次の猫と一緒に・・・
そんな事があり、不信感もすっかり消え、今回父の誕生日プレゼントにみぃのひざ掛けを作ってもらったというわけです。
実はその後、また野良猫を保護し同じくみぃと名づけ、その猫も亡くなり、今では保護施設から1匹の猫を里親として受け入れています。
祖母は他界し、私も結婚して家を出て、両親と猫の3人暮らしです。
みぃがいつもいた、冷蔵庫の上は今ではサスケの定位置になっています。
父の本心が分かったあの日があったから、次の子を受け入れることが出来るようになりました。
家族の中でも気持ちは異なるし、それにいくら話し合っても相手の本当の気持ちを知るのはとても難しいと思います。
そんな時、ペット達は家族の気持ちを近づけてくれるのかもしれませんね。
ペットには私たちの気持ちは全て分かっているのかもしれません。
このページの内容について
このページではお客様から寄せられた体験談や、今悩んでいる人へのアドバイスなどをご紹介しています。
当店でペットのお写真でオリジナルグッズを作っている関係で、ペットを亡くされたご自身のお気持ちや家族の状況を聞かせていただく機会があります。
他の皆さんがどうやって元気になったか、またその後どのように過ごしているかなど、読んでみてください。少し元気になれるかもしれません。