ペットの遺骨の管理について

ペットの死に対する考え方はこの数年で大きく変わってきました。

以前はペットの葬儀や埋葬、メモリアルグッズなどの言葉を見たり聞いたりすることは稀でしたが、現在では多くの方がペットの葬儀をしたりグッズを揃えたりしています。

しかしまだ人によって意見が異なり、理解されない事も・・・。

そんな中、当店のお客様やペット霊園の担当の方からお話を伺う機会がありますので、その内容をご紹介していきます。

今回はペットの遺骨の管理について考えてみましょう。

ペットの骨壷の管理の仕方

人の骨は火葬後にお墓に納骨するのが一般的ですが、ペットの骨は自宅で保管される方が多いようです。

その理由はいくつかありますが、一番の大きな理由はいつまでも近くにおいておきたいという家族の気持ちではないでしょうか。

しかし自宅で保管される場合は少し注意が必要だそうですのでご紹介します。一番大きな問題は家族の同意と見た目、その次にカビの発生だそうです。

実際にカビが生えたと聞いたことはありませんが、稀に起きるそうですので置き場に気をつけましょう。それより重要なのは家族の同意があるかどうかです。

カビの発生を防ぐ方法

高温多湿を避ける

まずは置き場所です。自宅に置く場合は家族の集まるリビングに置かれる事が多いと思いますが、置き場所によっては様々な問題が生じます。キッチンが近い場所や洗濯物が干してある場所などは湿気が多くなります。湿度が高いとカビが発生しやすくなりますので気をつけましょう。また、直射日光が当たるのもよくないそうです。なるべく風通しの良い、涼しい場所で湿度の少ない場所に保管してあげましょう。

乾燥剤を入れておく

骨壷の中にシリカゲルなどの乾燥剤を入れておくと良いそうです。湿度の多い日は乾燥剤が湿気を吸い、晴れた日に湿度を発散して調整してくれます。骨のフタをテープなどで密閉しておけば更に効果があるようです。

家族で意見が分かれたら

ペットとはいえ、遺骨をリビングにおいておく事に反対する家族がいたらちゃんと相談して皆が納得できる方法を考えましょう。ペットのことで家族で喧嘩なんてしたくないですよね。家族の誰かが反対しているのなら、見えないところや別室で保管するとか、骨壷らしくない箱などで保管してあげるといいでしょう。

詳しくはこのページ下方の、自宅に置くのに困った時のアイデアをご覧下さい。

分骨し、一部を自宅で保管する

遺骨を全て自宅で保管する場合、特に大型犬などは大きな骨壷になってしまいます。また、小さなペットでも骨壷が小さい場合は入りきらない事もあるでしょう。

ご自身が納得できるようであれば、骨の大半を納骨し、一部のみを自宅で保管することもできます。骨壷も小さくなるので管理が簡単になりますし、お客様がいらしたときにも目立ちませんし、すぐに移動させる事も出来ます。

関連記事:ペットの遺骨の分骨について

ペットの遺骨の保管Q&A

お客様や私の知人でも自宅にペットの遺骨を置いているようですが、時々保管方法について質問される事があります。その一部をご紹介しましょう。

「骨は何年か経つと水になると聞いたのですが、本当ですか?」

これはお客様から時々聞かれるのですが、私たちは専門家ではないため正直に申し上げると分かりません。

ただ、実際に水になったと聞いたことは無いですし、20年ほど前の愛犬の骨を保管している人がいますが、水になっているということは無いそうで保存状態の良い骨のままだそうです。

しかし、骨壷に水が溜まる事はあるそうで注意が必要です。それは骨が水になったのではなく、湿気などが骨壷に入って水になったのかもしれませんね。カビの原因にもなりますので湿度については気をつけて管理しましょう。

ご先祖様とお墓、同じ仏壇に置いても良い?

ご先祖様と同じ仏壇に置いても良いかどうかが議論される事があります。答えはずばり、宗派によって異なるようです。

仏教では人と動物はまったく別の扱いを受けるそうです。宗派にもよるらしいですが、同じお墓に入れることも出来ないお寺もあります。逆に、同じお墓に入れても良い場合や、お仏壇に骨を置いても良いといわれる和尚さんもいらっしゃいます。大事なのは、飼い主さまが納得されるかどうかだそうで、同じお墓に入れてはいけないという和尚さんでも飼い主さまのご希望に沿う方法を考えてくださる場合もあるようです。お寺に相談してみて下さい。

ペット専用の骨壷じゃないとダメですか?

見た目がいかにも骨壷らしいのが嫌なのでおしゃれな缶に保管したいのですがダメでしょうか?というお問合せがあると、霊園の方がおっしゃっていました。

その霊園ではなるべく骨壷をお勧めしているそうで、その理由は通気性や密閉度の問題だそうです。しかし決まりは無いそうで、飼い主さんがご納得されるのが一番良い保管方法だとおっしゃっていました。

自宅に骨壷を置いているお客様をご紹介

当店ではペットのオリジナルグッズを作っていまして、亡くなったペット達の思い出の品としてご注文を受ける事があります。

お届け後にお客様からお写真を頂く事もあるのですが、そこには祭壇に飾られたクッションやひざ掛け等と一緒に、骨壷が写っていることがあります。

以前は真っ白な骨壷が多かったですが、ここ数年ではパステルカラーの物や、天使や花柄、肉球などのかわいい装飾があったり、時にはワンちゃんや猫ちゃんの形をしたオーダーメイドの骨壷だと教えて下さるお客様もいらっしゃいます。

皆様のペット骨壷事情をご紹介します。

昔ながらの骨壷(A様)

私の場合はもう何年も前に愛犬を亡くしました。

その当時は今みたいに葬儀屋も対応してもらえず、火葬場に直接連絡を取り、火葬だけしてもらって骨を持ち帰りました。

ペット用の骨壷も無く、一番小さな物を選んでその中に今でも保管しています。

見た目があまり良くないのですが、特に家族から反対の意見も無く、もう10年近くそのまま保管しています。

祭壇のような立派な物ではないですが、棚の上に遺骨と遺影と、それとりんごが好きな子でしたのでりんごを毎日お供えしています。

りんごは毎朝母が供え、夕方に私の子がおやつ代わりに食べるという日々を送っています。

遺骨の安置を家族全員が賛成している(I様)

この度は素敵な作品をありがとうございました。

リビングの一番目立つところに祭壇を作って、飾っています。クッションとタペストリーをお供えしました。

遺骨はどうしたらいいのか家族で相談しましたが、納骨するお墓も無く、新たにお墓を作ると高額な出費になるのでこのまま我が家に置いておくことにしました。

これからも家族団らんの中に一緒にいてくれると思います。

お礼のメールには祭壇の写真が添付されていて、所狭しとオリジナルグッズやおやつなどが並べられていました。

このように家族全員から理解を得られる場合はとても幸せな例だと思います。

しかし、時には自宅において置けない事情もあります。

自宅に置くのに困った時のアイデア

人によっては、自宅にペットの遺骨を保管するのが難しいと言う方もいらっしゃいます。

自宅に置けない理由として家族の同意が得られない事や、アパートなどで置き場が無い事が多いようです。

その他、来客の際に見られてしまうのが気になるという方や、納骨しないとペットが成仏できないのでは?と感じる人もいるでしょう。

そこで、自宅で保管しつつもそれらの問題を解決するアイデアをご紹介します。

ペットの成仏について

まず、ペットが成仏出来るだろうかという心配についてですが、霊園の方にお伺いしたところ、自宅に置いておいても問題はないそうです。

火葬し、ちゃんと供養してあげる事で既に魂は抜けているそうですので、ご自身が近くに置いておきたいと思えばそうしてあげて下さいとの事でした。

骨壷に見えない骨壷を使う

ペットの骨壷を自宅においておく場合、やはり家族の同意も必要ですし、来客の際にも目立たないようにしておいた方が良いでしょう。

以前は人用と変わらない骨壷しか選択肢がありませんでしたが、最近は装飾が施された物や、骨壷らしくないかわいいものもあり、それらを利用してみるのもいいかもしれません。

小さな骨壷に移し変える

遺骨をパウダー状に加工し、小さな骨壷に移し変える事も出来ます。

見た目もすっきりして、骨壷だと気付かれない場合が多いそうです。

ただし、パウダー状に加工するか、又は入りきらない遺骨を別の場所に納骨するなどの作業が必要になります。

カバーをかける

骨壷カバーと言う物をご存知でしょうか。

これは真っ白な寂しい感じの骨壷を使っている方から聞いたアイデアです。

大きくて真っ白な骨壷は目立ってしまい、家族からも納骨するようにいつも勧められていたそうです。

しかしご自身はまだ離れるのが寂しく、もうしばらく手元においておきたかった。

そこで骨壷にカバーをかけることにしたそうです。

フワフワしたフェルトのカバーで見た目もかわいく、家族からも何も言われなくなったそうです。既製品として販売されていますので調べてみて下さい。

ペットの遺骨の分骨について

ペットの遺骨を一部取り出し、いくつかの場所で保管される例をご紹介します。

例えば、納骨後も遺骨の一部を自宅で保管したり、細かく砕いたものをペンダントなどに入れて肌身離さず持っておきたいという場合は分骨をすることになります。

分骨については人によって考え方も異なりますが、特に「こうしなければならない」「これはしてはいけない」という決まりがあるわけではないそうですので、ご自身が納得できる方法で対応されるとよろしいようです。

詳細はペットの分骨についてをご覧下さい。

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