ニット作家のペットロス相談室。
今日のお話しは、新しく飼い始めたペットを愛せないというご相談です。
ペットとのお別れの後、次のペットを受け入れたけど、どうしても愛せない。
そんなお悩みを抱えた方から相談されることもあります。
家族がすぐに新しいペットを飼い始めました。私はまだ心の準備が出来ずにいます。
愛犬が亡くなりました。同じ犬種で良く似た子を飼い始めたけれど、前の子と比べてしまって、鳴き声も違うし、性格も違うし、どうしても愛せません。
今日のブログは新しいペットを愛せないという事例と、そんな時の対応について考えてみましょう。
お客様の状況
良くあるケースをご紹介します。
ケースその1
当然自分はまだ受け入れられません。
こういう時、皆さんはどうしますか?
実は意外と良くある相談なのです。
このような時、まずはご自身のお気持ちを大事にして頂きたいと思います。
亡くなったペットが忘れられないのですよね。
気持ちの整理には時間がかかりますし、その時間は人によってさまざまです。
家族でも異なります。
でも、同時に新しく迎えた命も大事にしなければなりません。
それが分かっているから、尚更辛いのですよね。
でもその気持ちを家族が分かってあげるだけで、状況が急展開する事もあるのです。
注文者様は最近新ししペットを飼い始めた人です。
そのペットを受け入れる事が出来なかったのはお母様(高齢女性が多いです)。
注文者様が、最近亡くなった子の写真で作ったクッションをお母さまへプレゼントされるのですが、どんな変化が起きると思いますか?
〇〇ちゃん(亡くなったペット)のクッションを夫と娘がプレゼントしてくれたの。家族は○○ちゃんの事を忘れてはいなかったの。
悩んでいたお母様から連絡が来てこのように言って頂いたり、追加のクッションをご注文して下さったりするケースがあります。
辛い関係を作ってしまった家族が、救ってくれた。
心の底にある本当の気持ちを繋げてくれたのは、亡くなったペットだったのかもしれません。
ケースその2
お客様ご自身が次のペットを飼い始めた例です。
家族にはまだ早すぎると言われているそうです。
でも、その家族も新しいペットに癒されているのも事実。
複雑な状況かもしれません。
そんな時、お客様がご自身用にクッションを注文されました。
そのクッションを見て、家族に言われたそうです。
新しく受け入れたペットを愛せない
新しく受け入れた子を愛せないと感じている人がいたら一度考えてみて欲しい事があります。
もしかしたら、亡くなったペットと比べていませんか?
新しく飼い始めた子は身代わりでもなければ、生まれ変わりではありません。
性格も違うし食べ物の好みも違うし、懐き方も違うと思います。
全く同じ関係を求めるのはペットにとっても負担だし、飼い主にとっても辛くなることがあるかもしれません。
どうしたらいいの?
お話の前に、私がたどり着いた結論を先に申し上げます。
新しい子を同じように愛せるようになるには、時間がかかる。
絆はすぐには生まれない事もある。
先代のペットの代わりはいない。
先代のペットの事は、一生忘れることは無い。
だから、時間をかけてゆっくり受け入れてあげる。
これらを頭に入れて、お話を続けましょう。
新しいペットと仲良くなれるまでの期間
ペットを愛することが出来るようになるまでには、ある程度の期間が必要だと思います。
一瞬で仲良くなる場合もありますし、数年かかることもあります。
それはペットと飼い主との相性によりますので愛情が湧くまでの期間はまちまちですが、長い時間がかかることもあるという事は知っておいた方が良いでしょう。
我が家のお話しをします。
私は猫を1匹飼っていました。
保護施設から受け入れた子です。
すぐに私に懐き、とてもかわいい子でした。
1匹ではかわいそうだと思い、保護施設時代に仲の良かったもう一匹を新しく飼う事にしました。
2週間のトライアル期間を経て受け入れたのですが、初めの頃は先住猫と同じように愛することが出来ませんでした。
その理由は、愛情とか愛着とか相性とか、言葉でいうのは難しいです。
施設では仲良かった2匹なのに、お互いに忘れてしまい、先住猫とよくケンカをしていました。
先住猫と同じ事をしても、例えばトイレを失敗した時も、先住猫の場合は許せるのに2匹目の子が失敗するとムカつくと言った具合です。
この気持ちは自分でも理解が出来ませんでした。
新しい猫を愛せるようになったきっかけ
しかしある日、2匹目の猫を愛せるようになったきっかけがあります。
それは、猫の病気がきっかけでした。
この子が2匹目の猫です。
ある日、血尿が出て病院へ行きました。
尿路結石と言う病気で猫にはよくある病気だそうですが、ひどくなると手術が必要になり、時には命を落とすこともあるそうです。
通院、薬、そして食事療法で治りましたが、この時以来、急にこの子(マロ)が愛おしくなったのです。
我が家に来てから、1年以上経っていたと思います。
この子が自分にとって、こんなに大切な存在だったのかと、この時自分で気付きました。
絆はすぐには生まれない
私は気が付きました。
先住猫が我が家に来た時は、自分も初めて飼う猫の世話で一生懸命で、愛する事よりもまずはこの生活に慣れるのに必死だったのです。
ソファーやカーテンをひっかくし、障子も破るし、夜中は走り回るし・・・。
楽しかった事や困ったことを繰り返すうちにこの子の性格が分かって来て、猫の飼い方も徐々に分かって来て、時間をかけてお互いの絆を作っていたのです。
新しく受け入れた猫にとっては、初めての空間で、家の中の様子も分かりません。
しかも先住猫がいて、以前は仲良かったとは言っても何か月も離れていたのでお互いに記憶はないし、一人ぼっちで寂しくて私に心を許せなかったのかもしれません。
そうして病気になった時には、いつの間にか一緒にいた時間も長くなっていてお互いのことも信頼し合えるようになっていたのかもしれません。
絆はすぐには作れないのだなと分かりました。
マロちゃんのその後
マロはその後、別の病気にかかり2020年の夏に亡くなりました。
今思えば、ちゃんとあの子を愛することが出来たという幸せな気持ちが確かにあります。
それと同時に、もっとしてあげられたことは無かっただろうかと言う後悔もあります。
あの子はウチに来て幸せだったのだろうかという不安もあります。
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愛情は時間をかけてゆっくり深まる
皆さんの中にも、新しく飼い始めたペットを思うように愛せないという人がいるかもしれません。
それは、絆を築き上げている段階だと思って、もう少し時間をかけてみませんか?
特に我が家のように保護猫、保護犬の場合は時間がかかるようです。
それともう一つ、先代のペット(亡くなった子)の事をまだ忘れられていないのかもしれません。
それは一生忘れる事は出来ないでしょう。
ですから、ゆっくりと時間をかけて気持ちの整理をしてみて下さい。
新しく飼い始めた子に、先代の思い出話をしてあげても良いかもしれませんね。
楽しかった思い出を話してあげれば、自分も癒されますし、ペットもこの人が飼い主になってくれて良かったと思ってくれるかもしれません。
私達の仕事
私達はペットのメモリアルグッズを作っていますが、お届けしているものは商品ではなく、「気持ち」「思い出」「絆」など、目には見えない大切な宝物だと思います。
皆様の気持ちが休まるようお手伝いが出来れば幸いです。
お客様の声
猫が虹に橋へ渡り、寂しくて新しく猫を飼い始めました。でもどうしても前の子と比べてしまっている自分がいました。性格も違うのであまり馴染めず、だんだんと気持ちがいら立っていた時、夫がファンデルワンさんを教えてくれて、亡くなった子のクッションを作っても良いと言ってくれました。
クッションが届き、新しい子も少しずつ愛せるようになってきました。無理に忘れようとしていたのかな?と思います。これからは新猫さんもちゃんと愛してあげられそうです。